【ベランダ・バルコニー問題をもう少し追究してみた 1/3】に続き、今回は「辞書」で、ベランダとバルコニーについていかに記述してあるかを調べてみます。
くどいですが、大前提となる方程式ですので再掲しておきます。
ベランダ → 屋根あり
バルコニー → 屋根なし
まず、ベランダ編から。
辞書界の序列第1位といっても過言ではない「広辞苑」では、次のように記載されています。
(なお、予算の関係上、最新版の第七版は手元にございませんのであしからず。)
【ベランダ】
家屋に沿って外側に張り出した縁。通常は、屋根付き。縁側。濡れ縁。〈[季]夏〉
(広辞苑第六版より引用)
安心しました!
「屋根付き」と記載されております。方程式どおりです。
念のため、「明鏡国語辞典」でも調べてみます。
【ベランダ】
建物の外側に張り出した広縁。ふつう庇(ひさし)のあるものをいう。
(明鏡国語辞典より引用)
「ふつう」という言葉が気になりますが、「庇(ひさし)のあるもの」とありますので、一応方程式には合致していることにして、次に進みます。
次に、バルコニーについて、見ていきます。
【バルコニー】
西洋建築で、室外へ張り出して作った、屋根のない手すり付きの台。露台。バルコン。〈[季]夏〉
(広辞苑第六版より引用)
さすが、広辞苑。方程式どおりです。
では、明鏡国語辞典はどうでしょうか?
【バルコニー】
❶ 洋風建築で、階上の室外に広く張り出した手すりのついた台。露台。バルコン。
❷ 劇場の二階席。桟敷(さじき)。
(明鏡国語辞典より引用)
明鏡国語辞典では、屋根の有無には言及していませんが、「露台」の部分で屋根なし感を表現しているともいえます。
ちなみに、我々の会社の社長の名字は「桟敷(さじき)」です。
話がそれましたので戻します。
あと、広辞苑には「ルーフバルコニー」も載っていました。
(「インナーバルコニー」の方は記載なし。)
【ルーフバルコニー】
多くマンションで、下階の屋上を上階の住戸のバルコニーとしたもの。
(広辞苑第六版より引用)
また、和製語とも記載されていましたので、日本独特の言い回しのようです。
ここまでは、日本語ベースで調べましたが、視点を変えて英語辞典を引いてみることにします。
使用するのは「ジーニアス英和辞典」。
まず、単語のつづりは次のようになるようです。
ベランダ → veranda(h)
バルコニー → balcony
「veranda(h)」の訳は、「ベランダ、縁側」で主にイギリスで使用されているようです。アメリアでは「porch」ということの方が多いようです。
「建物の1階側面から張り出した屋根付きの縁」とも書かれています。
やはりここでも「屋根付き」と記載されていました。
ちなみにヒンディー語由来だそうです。
もう一方の、「balcony」については、次のように記載されています。
❶バルコニー(イタリアなどヨーロッパ南部に多い;愛・ロマンスなどの象徴)
❷(劇場の)バルコニー席、さじき、階上席
(ジーニアス英和辞典 第4版より引用)
2段構成で説明しているところは明鏡国語辞典と同じですね。
さじき社長のお名前も見受けられます。
ただ、ここで新しく出てきたのが、「愛・ロマンスなどの象徴」!!
なんと、バルコニーは、愛とロマンスの象徴なんだそうです。
「バルコニー イタリア 愛」でぐぐってみるとロミオとジュリエットがたくさんヒットしました。
たしかに( ↓ )は「バルコニー」と言いたいですね。
ちなみに、宝塚歌劇団の演題(というのが正しいのかはわかりませんがご容赦ください。)の中に、ロミオとジュリエットがありまして、劇中に歌われる曲の中に「バルコニー(愛の誓い)」という曲があるようです。
また、今回も長くなってしまいましたので、次回、これまでのものをまとめて終わりにしようと思います。